【2019年7月28日更新】各立場の心情が分かりやすくなるようにリライトしました。
どーも、スマダン管理人のsmAsh(@smAsh_smAsh01)です。
今回はダンスバトルが好きな人ほど悩んでしまうであろう、あの質問に切り込んでいきたいと思います。
僕自身、ありがたいことに、ダンスバトルでのジャッジ(審査員)をつとめる機会が度々あり、ダンスバトル終了後にも、当日参加した方に対して、ダンスバトルの内容についてコメントやアドバイスさせていただくことがあるのですが、その中で、ダンサーの方からよく聞かれる質問なので、僕なりの私見をまとめておきたいと考えました。
今回はそんな質問について、個人的にひも解いていきたいと思います。
「ダンサーはDJのかける曲に合わせないといけないんですか?」
「ダンスバトルの時って、やっぱりDJが流してくれた曲に合わせて踊らないといけないんですか?」
ブレイキンに限らず、様々なダンスジャンルのバトルで、よく質問を受ける言葉です。
特に、様々なジャンルのダンサーが集まるFreestyle(All style)のダンスバトルだと、自分の専門ジャンル以外の曲がかかることも少なくなく、仮に自分が上手く音楽に乗ることができなかったりして負けると、
「自分にとっていい曲が流れなかったから負けました。」
という言葉を聞くこともあります。
では、本当にそれが勝敗の原因になっているのでしょうか?
もちろん、かかる曲に即座に順応し、それを体で表現するのがダンスバトルの重要なファクターとなっているのは事実です。
そのために、ダンサーは日々様々な曲をかえて、ひたすら自分の踊りを練習しています。
練習をするうちに、自分にとって得意な曲(踊りやすい曲)や不得意な曲が出てくるのも必然だと考えています。
自分が得意な曲だったら絶対にいい踊りができて、あんなやつ(バトル相手)にも勝つことだってできた!って思いたくなるのも人間の性だと思います。(僕自身ももちろんありますし。。。)
でも、それはあくまでも自分がダンサーとして主観的に物事を捉えているからかもしれません。
では、次に別の立場からこの問題について捉えてみましょう。
自分がDJの立場に立って考えてみよう
僕はダンサーとしてダンスバトルに挑戦する一方、ダンスバトルのDJとしてイベントに関わることもあります。(まだまだ駆け出しではありますが…)
ダンスバトルのDJは、通常のDJタイムに加え、ダンスバトルの際に流す音楽を担当します。
Freestyle Battleであれば、ダンサーのジャンルもバラバラなため、対峙するダンサーたちのジャンルや好きそうな曲調、また、実際に進行状況(予選なのか、本選にむけた戦いなのかetc…)いろいろなことを意識して曲をセレクトします。
これ、DJをやったことある人じゃないとなかな気づかないポイントかもしれません!
これは、場数を踏んでいる人だと、とても柔軟に、かつ、ダンサーや見ている人を巻き込むようなDJプレイをしてくれたりします。
そう、これって、DJから会場にいるダンサーやお客さんに向けて、「提案」してるんですよね。
「こんな曲どう?楽しめる?」だったり、「こだわってるこの曲でぜひ踊ってほしい!」だったり。
少なくとも、僕がダンスバトルでかける時は、どんなに忙しくてもかける直前までいろいろ考えます。
改めて、ダンサーの立場としてはどうか?
踊る立場からすると、自分にとってお気に入りの曲だったり、乗りやすい曲だったりするとテンションが上がって「よし!いくぞ!」となるかもしれません。
が、テンションがあがらない曲だったり、もっと言うと、苦手な曲がかかった場合…
「この曲嫌だな…」とか、「DJ、何かけてくれてんだよ!」と思うかもしれません。
しかし、よほどの独りよがりなDJでない限り、そのバトルに対して何かしらのメッセージを投げかける意味で曲を選曲しているんです。
これに対して、苦手な曲だからと、とりあえずその曲に合わせにいってしまうと、絶対に「曲に踊らされる」状態になるんです。
ダンスって、曲に合わせて踊るのが大事って言ったじゃん!と思われるかもしれませんが、
「曲に踊らされる」のと、「曲で踊る」のは全然違う状態です。
とても難しいことを言っているようですが、さらにダンスが上達してくれば「自分の踊りに曲がついてくる」状態になります。
曲がついてくるというのは、たとえ初めて聞いた曲や普段から踊らない曲であっても、自分が普段のダンスをしていると、自然と音ハメ※曲の切れ間や、スクラッチ音等にダンスがはまる(はめる)技術のこと になっていたりすることがあります。
DJの立場からすると、自分がこだわってかけた曲に対して、気持ちよく踊っているダンサーたちを見ていると、とても嬉しくなります。(少なくとも僕は嬉しいです)
こんな曲どう?ってかけた曲に対して、「とりあえず苦手だからこなした」みたいになると、少し悲しくなりますし、それで、「あの曲のせいで負けた」と言われると、申し訳ない気持ちや、逆に、せっかくよかれと思ってかけたのに!となってしまいます。
だから、ダンスの上手下手はあるとはいえ、まずは音楽に合わせにいこうとせず、DJが選曲した曲を素直に体に取り込んで、
「おっ!その曲だったらこんな感じで表現するぜ!」
といった、DJへの提案に対する「回答」をしてみると、自然と曲をないがしろにすることは減ってくると思います。
ダンサーは音楽に合わせるべきか、音楽がダンスに合うのか まとめ
今回はダンスと音楽について、結構哲学チックな話になってしまいましたが、僕なりの私見をまとめてみました。
今回の記事をまとめた背景として、これまでダンサーとして、またDJとして鍛錬を重ねてきたとあるダンスイベント(練習会)を去ることになったので、
これまでの思いあたったことを書き出してみようと思った次第です。
ダンスイベントはダンサーだけが主役ではなく、DJやMC、ジャッジやお客さん一人一人が大事な役割を担っています。
ダンサーの方は、ぜひそういうところも意識してみると、また違った発見があるかもしれませんよ!
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